維士 信一が家へ

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後悔、無念の毎日だった。ドクが東京にアパート探しに来る日は、おれの家に一緒に住もうって、説得するつもりだった。  ごめんなぁドク、3年間辛い東京生活、守ってあげれなくて、、ごめん、謝っても時間は戻らないが、ごめん、 」と、信一さんが、僕に言って、泣きながら歩いてた。  こう言う話をする為に来たんだ、ここ1年の生活が穏やかで、人の想いの深さに、僕は圧倒された。  小さい家の前で、 「ここ、今借りている家です、お昼食べましょう」と、僕は言った。  食べながら、 「僕は、絵を描いていたい、それだけです。 1年間、色々考えました。最近は絵を売りたいと思ってます。全てが、過敏だった頃は、自分の分身が切り取られるようで、耳の後ろの頭蓋骨がキリキリ痛かった。  今は何百枚も溜め込んで、管理に困ってます。傷んで捨てるより、気に入った人に見てもらいたい、生活費も欲しいです。
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