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1997年 維士
維士は、小学3年生になって2つの事がわかった。
ひとつは背中を押されてると思っていたのが蹴られてた事、16人いる同級生が中学卒業まで一緒だという事だった。
毎日学校で男子に意地悪される、ムシされる、蹴られる、女子は「維士くん、かわいい」って、うるさい、今日も背中を蹴られてた、息が苦しくも泣かなかった、何も言い返さない、自分の席の机の上を見て頭の中でみんな消していた、誰も居なくなると奥の奥に米粒の僕が口を開けているのがいつも見える。
毎日家に帰ると、パソコンのメモ帳という所に絵を描いた。
最初の時はお母さんと一緒にやっていたが、今は1人で描いている。
押し入れが狭くなってきたが、まだまだ大丈夫だと思い、パソコンの明かりだけで描いてた。
玄関で音がする、人が来たみたいだ、僕が学校からの帰り道にも、知らない人が付いてきてる。
僕はさっき玄関の鍵をちゃんと閉めたのを思い出した、
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