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信一 再び維士と会えた
2010年 信一
24歳におれはなっていた。
3年前ドクから、東京で会うはずのメールが届かなかった。
あの時おれは浮かれていた。ドクと一緒にいる事に有頂天で、バックは無意識に持って無意識に何処かに置いた。何処に置いたか、全く想い出せない。次の日の朝、社長がわざわざおれの家に来て起こされて、携帯がない事、絵がない事に気づきいた。貰った絵と携帯電話を何処かに置き忘れた。
直ぐ、ドクの家に行くべきだった。
甘く考えた、連絡が取れない恐怖心に一時は陥ったが、実家を知っているという安心感も僅かにあった。当時はおれは、ドクの岩手の家で住所を知れると思ってた。叶わなかった。ドクのお母さんに断られた。
その後からの、地獄の日々の始まりだった。その前の会えない時期も苦しかったが、比べようがないくらい苦しい。お互い分かり合え、近くなった後からの離れはおれには辛い。
当時の事、思い出すと、全ておれだ。
ドクの気持ちとか、心配させたとか、何にも考えない、初めてドクと会った時のドクの恐怖心とかも、まったく気づかない、言われなければ一生知らない。
あぁ、このまま年を重ねていくのか、小学生のままだな。
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