たんぽぽ 信一・維士

信一 再び維士と会えた

　仕事が楽しいかどうかは微妙だが、やるしかない、今は、ネットで全て動かし、動かされているのが、おれがいる世界だ、異常な世界だ。

　誰かの手のひらの上で踊らされいる、人気がなくても1か月後には、大スターになれる、なりたければ言われた事が出来る商品になる事だ。
　雑誌のインタビューも台本どおり、ネットのおれの発信も台本どおりだ、最初の時は自分の言葉で答えたり、自分の言葉で発信していたが、商品としての価値が上がっていくにつれ、作られて言った。

　載っているのを見れば、おれこんなの(言ってない、)(書いてないなぁ)って思うが、おれにはどうでもいい。

　どう見せるか、この世界ではあたり前なのだろう、一言が命取りになる、怖い世界だ、薄っぺらいおれの言葉は、危険過ぎるのだろう、流れが変わりそうになったら、総動員して修正、数字も変えて、世の中が動いているかのように見せる。

　巨大ビジネスだ。何処かのアカウント数が全人口より多いとネットニュースで言っていたが、ニュースでもなんでもない、普通の事だと思った。

　潰されない様、もう少し躍れるはずだと思った。ドクに会いたい、見つけてくれ、いくらでも踊ってるやると毎日アルコールに浸りながら思っていた。