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看守
広告塔のポスターに貼られた美人顔の端正な顔立ちをした、作りモノの様な出立ちのした綺麗な白い化粧の女を破損したい損壊願望に囚われた。
僕は脳内に疾患を患って腫瘍が出来ている。その為、ヒトを殺したい気持ちが当たり前に備わっている。
過去に酷い暴行を身内から浴び、その為脳内に障害が出来てから、私はヒトを殺したい、死体損壊願望を抱いて、少年Aに憧れた。
私がそう云うヒトを、殊に女性に対してそう云う歪んだ殺意を抱いてから、私は犯行声明文に対して凝り性になっていった。
カラダにできた傷跡は、最早修復せず、これは全てを死滅させなければならない
そう云う神の啓示を聴いた。
傍にいるものは常軌を逸してると知っていた。
だから、自然とヒトは離れていった。
今彼は孤独である。
その、彼が化粧品コーナーに飾ってあった女性を見た時に、その時に抱いた感情に彼は疑問を抱かなかった。
騒音被害に悩んでいた彼は、ずっと溜まっていた怒りを振り下ろす時を待っていた。
きっと、自分が壱番危険な気がする。
だから、自らを、モニタリング対象として、何か誤作動を起こしたら、何の躊躇いも、せずに、クビを切って欲しいと、書き残して、彼は今の部門に属している。
ヒトを殺したい感覚を抱いている彼は、そう云う気持ちを隠したりしなかった。
だから、見護り達は、彼を恐れた。
その憎悪は根深く、彼はその女ですら壊す事に、正義という壱番あやふやなモノを信じている。
彼は、危険ランクS級だった。
何が彼をそこまで思い詰めたのか、その深層は、彼自身の、打ち明けたい時になる迄、監視員は、じっと耐えて待つスタンスでいる。
自供、とでも言えばイイ。
其れが、彼にとっての、更生だと監視員は想う。
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