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中学の横を通りかかったとき、緑色をしたフェンス越しにサッカー部が練習をしている姿が見えた。こんな炎天下の中、よくやるよ、そんなことを思いながら僕はできるだけ日陰のあるアスファルトを選びながら自転車のペダルを漕いだ。
出かける前に見た天気予報アプリは、今日も気温は三十五度を超えると言っていた。こんな暑い中、出来ることなら僕だって外には出たくなかった。エアコンのきいた部屋で小説でも書いていたかった。
しかし、子供の将来を憂うことが趣味としか思えない母から「夏休みだからって家に籠ってるんじゃない!」と言われてしまい、うんざりとした気持ちとともに外に出てきた。
母に従いたかったわけではないけれど、外の世界に小説のネタが落ちていることがあるのも事実だ。
百聞は一見に如かず。
なけなしの小遣いの入った財布とお年玉で買ったノートパソコンに詰め込んで、僕はいつものファミレスへと自転車を走らせた。
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