第8話 悪い男

1/1
前へ
/8ページ
次へ

第8話 悪い男

千晶は、彼氏とサークル仲間を同時になくし、本当に仲の良かった女友達とだけ一緒に過ごすも、ぽっかり空いた心の隙間を埋めることができずにいた。 なんだかんだ言っても、やっぱり千晶は彼氏の岸田のことが好きだったのだ。それが、あんな形で別れたのだから、自分からやり直そうとも言えず、どうすることもできない自分が歯がゆい。 そんな千晶に寄り添ってくれたのは、高伸だった。 そうして、高伸と千晶が岸田、上島の2人と別れてから1か月後、2人は本当に付き合う事になったのである。 高伸と付き合うようになった千晶は、再び笑顔を取り戻したのだった。 と、話がここで終われば良かったのだが、この話には後日談がある。 高伸と千晶が付き合う事になった翌日、高伸は1人で例の部屋を訪れた。 高伸と千晶が男女の友情はあるのかという課題をこなしていた部屋だ。 ギーバタンっ 「あぁ、もう揃ってたんスね。お待たせしてしまったようで」 高伸はそう言って、あのソファーに座っている、齋藤、カメラマン、岸田を見る。 「いえいえ、私たちも今来た所なんで」 「まぁ、俺も今は時間に余裕があるから。お前のおかげでな」 そう言って笑っている、齋藤と岸田。 高伸は、齋藤、カメラマン、岸田の3人にそれぞれ茶封筒を渡していった。 「まずはこれ、例の謝礼。受け取って」 茶封筒を受け取った3人は、中に3万円が入っているのを確認してから懐にしまった。 「確かに受け取りました。じゃあ私からも」 齋藤が合図をすると、カメラマンがUSBを高伸に渡す。 実はあの時、カメラマンが使っていたカメラはフェイクだったので実際には何も撮影は去れていなかったが、この部屋には隠しカメラがあり、高伸と千晶が2人きりになった 後のところも録画されていた。 「お、ありがとう。これは俺の宝物にするから」 高伸はそう言って、USBにキスをする。 「しっかし、高伸も変わった趣味してるよな。本当に千晶で良かったのか?」 「あぁ? 元カレだからって、大きな顔すんなよ。俺はサークルに入った時から、ずっと千晶狙いだったんだよ。それを、お前が横からかっさらっていった時には驚いたよ。しかも千晶の奴、岸田は真面目だなんて言って現実見てねーし」 「いやだなぁ。俺は真面目だよ。ただ彼女が他にも5人ぐらいいるだけで。それに高伸に比べれば、俺なんて本当に善良だし真面目だと思うぜ?」 「俺はさ、マジでおっぱい好きなんだよな。千晶の爆乳は、色々仕込みがいがあるし。あんなおっぱいの持ち主と別れたがってたお前の気持ちなんて、俺にはさっぱりわかんねーよ」 高伸は千晶のおっぱいを思い出しながら、両手を動かす。 実はここに来る前も、千晶と近くの公衆トイレで致してきたところだ。それで少し、待ち合わせ時間に遅れた。 「俺は束縛されるのも、彼女面されるのも嫌いなんだよ。それに俺は、巨乳には興味がないからな。むしろ邪魔だと思ってるから。イラマをする時に、おっぱいが邪魔になることもあるし」 「岸田は、おっぱいよりも、のどの形が一番大事なんだもんな。ま、俺と趣味がかぶってないからこそ、今回の計画が立てられたんだけどな。っていうか、あの岸田のパンチには本当に驚いたよ」 「あの方が千晶も俺を嫌いになると思ってな」 「やりすぎかと思ったが、岸田の狙いは正しかったね。口の中を切ったおかげで、千晶が俺に優しくなったところはあったから」 「だろ? 俺は一応、千晶の元カレだからな」 岸田はそう言うと、笑った。 高伸も斉藤も、カメラマンも笑っている。 そう実は、今回のことは全て高伸が企てたことだった。 齋藤とカメラマンは、高伸の高校時代の後輩で、高伸が頼めば何でもやってくれる子分的存在。 そして、岸田は高伸と同じサークルで、2人でも飲みに行くぐらい仲が良い。 ある酒の席で、岸田が千晶と別れたがっていることを聞いた高伸は、これは使えると思ったのだ。 高伸もお嬢様の上島は千晶の代わりに付き合っていた程度で、どうでもいい存在だったから、今回の企みを考えた時に、全てが上手くいくと思った。 そして、全ては高伸の思惑通り、岸田は千晶と別れ、高伸は上島と別れ、そしてちゃっかり高伸は千晶を手に入れる。 カメラマンに撮ってもらっていた動画は、完全な高伸の趣味だ。 これまでも致した女との動画はコッソリとっていて、コレクションにしている。女がいない時はないが、エロ動画を見るより、自分が致している動画は、いつだって無修正だし、抜けるから好きなのだ。 さっきまで、公衆トイレで千晶といたしていた時も、こっそり動画は撮っている。これだけは、誰にも知られてはいけない、高伸の秘密だ。 「さてと、なんかまたやりたくなってきたから、千晶のところに行ってくるわ。あいつ、かなりの好き物でさ、呼べばどこでも股を開くから。じゃーな、また何かの時にはよろしく頼むわ」 高伸はそう言って、勃起させたまま部屋を出ていったのだった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加