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第16話
ずぷりと満たされていく圧迫感に、目の前に星が散って息が詰まる。渉の細い腰を掴んで、逃がさずに根元まで収めた。
汗ばんだ肌で結合部がぴたりと密着する。なかがうねって全身の肌が敏感になり、どこを触られても感じる渉を見て、瑛斗が乾いた唇を舐めた。
「続けるよ。本気で嫌だったら爪立てて」
「……ん、ぅん」
やさしく頬を撫でられても、なにを言われているのかわからない。ベッドが軋むごとに尻を揺すられて、出し入れされる感覚がひどく生々しく、馴染むごとに抽送がスムーズになっていく。
向かい合って身を委ねていると、今まで届かなかった最奥を先端が掠めた。びくりと跳ねた体をベッドの上に倒され、再び繋がったときの刺激で一度目の精を放つ。
薄い腹が脈打って、びくびくと声もなくシーツを汚す姿に瑛斗から余裕が消えた。されるがままの太腿を大きく割り広げ、呼吸が整うのを待たずに腰を打ちつける。
「っぁあ! あき、瑛斗っ」
「……っ、なに?」
「また、でちゃう、からぁ……っ」
繋がった部分では互いの体液が混ざり合い、白く濁っていた。快楽に溶けた渉の舌は甘く縺れて、思うように喋れない唇からはいやらしい吐息がとめどなく溢れる。煽情的な光景に瑛斗も達しそうになり、動きをいっそう早めた。
「ひぁっ!? ぅう、っあん! は、んん……」
「っ、は」
このまま奥に出そうとして、ゴムをつけ忘れていたことに舌打ちをする。思い出さなければよかったのにと、頭の隅でひどいことを考えた。
渉が射精したタイミングで動きを止める。きゅうきゅうと搾り取るような締めつけをぐっと堪えて、ゆっくりと抜いてから腹の上に吐精した。
「あき、と」
キスを誘って手を伸ばされる。やわらかい舌を何度も絡めて、ちらつく鎖骨に軽く歯を立てた。疲れてぐったりしている渉には悪いが、これではまだ物足りない。
「もっと気持ちよくなろうね」
「……え?」
それから瑛斗が満足するまで離してもらえず、いつの間にか眠りに落ちていた。遅めの夕食に起こされるまで渉が目を覚ますことはなく、明日からしばらく外出しないのをいいことに、また鎖骨や内腿の至るところに痕が残されていたのだった。
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