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くさいし、汚い。だけど僕の手は縛られた生ゴミの袋を開けていた。
中から夕飯に出ていた魚の骨を回収する。
これだけあれば、当分はもつはずだ。
僕はそれを別のビニールに移し替えて、庭へと運ぶ。部屋だと匂いでバレるから、保管には向かない。
だから僕は、庭にある納戸の後ろに隠していた。
芽生えた殺意。これは復讐だ。
僕の大切な金魚を殺した兄が許せない。だから僕は、魚の骨を兄の食事に混ぜている。
魚が出てない食卓にもかかわらず、魚の骨が突き刺さる恐怖。
兄がそれを金魚の呪いだと、思ってくれれば良い。あわよくば、喉に多くの傷を作って痛みに苦しめば良い。
僕は金魚が植わっている盛り上がった土の前に立つ。
「君の骨を使うのも、良いかもしれないね」
まだ、白骨化してないだろう。だけど、もう少ししたら、骨と化すはずだった。
その時は、その骨を使って兄の食事に混ぜればいい。
そしたらきっと、この金魚も報われるはずだ。
僕は笑った。
兄のことで心から笑ったのは、これが初めてかもしれない。
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