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「ココってさ、そういう服とかが好きなの?」
「そういう、って?」
食事中の俺の質問に、テーブル挟んだ彼女は首を傾げた。
「えーと、シックっていうか。もうちょっと明るい感じも似合いそうだなって思って。あ! でも髪も染めてないしお家が厳しいとか?」
心葉は着るものにモノトーンが多い。
今日も黒一色で白いレース衿のワンピースに、クリーム色のなんか羽織りものだった。ボレロとかいうらしい。
白いフツーのTシャツに黒デニムっていうチープカジュアル極めた俺が、他人様の格好をどうこう言う資格なんかないってのは自覚してる。
上品でオシャレ、なのかもしれない。きっと高価いんだろう。
だけど正直地味のが勝つんだよな。他の女子見ても、これが今の流行りってわけじゃなさそうだし。
髪も全然色入れてないストレート。サラサラの黒髪ロングで綺麗ではあるけどさ。
「……家は別に。私、他の子みたいな可愛い服って似合わないから。悪目立ちするだけだもん」
「そんなことないだろー。まあ、ココがそれでいいなら俺が口出すことじゃないよな」
なんでこの子、こんなネガなんだろ。
好きで黒着てるんなら全然いいけど、実は美人なのにもったいない気がする。
まあ、飾らなくても十分綺麗だし可愛いからいいのか。
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