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「あの子ってさ、結構なお嬢様じゃん? あ、長谷部くん知ってた!?」 「……まあ、一応」 「よかったぁ! 知らなかったらバラしちゃった? って焦ったよ」  夏海がわざとらしく胸を撫で下ろすしぐさを見せる。 「秘密なわけ?」 「うーん、『極秘』ってほどじゃないよ。ココ見てたら、育ちがいいのなんかすぐわかるでしょ? ……わかる子にはさ」  それは確かにその通りだ。  所謂ブランドものとか持ってるわけじゃなさそう、ってか女の子同士ってその辺のチェック細かいんだよな?  夏海の言葉からは、心葉の家のことなんか知らない子も多いみたいだし。というか、それこそ「わかる子」は知らん顔で流してんだろうな。  なんていうか所作に自然と出るって感じでさ。立ち居振る舞いなんて大袈裟なもんじゃないけど、優雅でバタバタしたとこがないんだよ。  一緒に食事行っても、すごい食べ方が綺麗なんだよな。そんな大した店行かないけど、それでもすぐ気づく。  俺の無作法が恥ずかしくなるくらいだよ。  いや、俺だって最低限はできてるはず! 親はちゃんと躾けてくれたし。
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