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【3】
「心葉さん?」
いつも通りバイトとしての、もうすっかり通い慣れた大学からの帰り道。
心葉の家の最寄駅で別れを告げようとしたとき、男が突然話し掛けて来た。
待ち伏せしてたのか?
「あ、……三沢さん」
写真は見せてもらってたし名前も聞いてた。
三沢 淳一。心葉の見合い相手だ。
「そちらの方は?」
俺を目線で指しながら、彼が心葉に訊いた。
「わ、私がお付き合いしてる方、です」
嚙みながらも答えた心葉に相手の男は片眉を上げた。
なんかいちいちカッコつけだな。
見た目はちょっと、……かなりイケてるけど。
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