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夏海が教えてくれたみたいに、金目当ての奴が寄って来るのも含めて。
「お前は金だけだ」とか、そういうこと言われてたんじゃないのか? くだらない連中に。
だから無意識に地味にしてるのかもしれない、って思い当たった。目立ちたくなくて、可愛い恰好なんか似合わないって思い込んで?
綺麗なんだからもっと飾ればいいのに、なんて安っぽい言葉はきっと心葉には響かないんだ。
「じゅんちゃん、……あのお見合い相手役は従兄なの。本当は三沢じゃなくて我妻だけど」
心葉がゆっくりと話し出す。
「マ、母の姉の息子でね、小さいころから妹みたいに可愛がってくれてた。私が仲良くなりたい人がいるってつい零しちゃったら協力するからって。この作戦も二人で、っていうかほとんど彼が考えたのよ。じゅんちゃんは大学で劇団入ってたから」
どの程度の劇団なのか知らないけど、見事な演技だったよ。完璧に「嫌味な男」になりきってたもんな。
素顔はあんなに優しそうなのに。
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