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【4】
狭苦しい寮の部屋のベッドに身体を投げ出して、俺はさっきから薄汚れた天井を睨みつけている。
あれからもう一週間経った。
同級生だし、心葉とは講義で一緒になることも少なくない。
俺たちは互いに、話すどころか目も合わせないようにしてた。
あからさまなぎこちなさは、きっと夏海には伝わってる。もしかしたら他のやつらにも。
いつの間にか、約束の一か月はもう終わりが近かった。
このままバックレれば、結局三分の一は何もしないで金だけ手に入ったわけだ。楽して儲かってラッキーじゃん。
わざと露悪的な言葉で自分を煽る。
そんなこと思ってない。
ホントに思ってないけど、……その通りなんだ。
だってただの『バイト』なんだから。
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