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「ココ、最初から間違ってたんだ。俺も、二人とも」  これ、言っちゃってもいいのか?  一瞬悩んだけど、結局俺は口を開いた。 「……俺は『尾崎さん』のこと、一年のころからちょっといいなって思ってた。その俺の気持ちをココは踏み躙ったんだ。金で」 「俊樹くん……」  俺の突然の『告白』に、心葉は目を見開いて静かに涙を溢れさせた。 「これ返す。俺、ココとデートしてたんだ。バイトじゃなくて。だから金もらうのはおかしいだろ? 受け取ったのがもうアウトだったんだよ」  テーブルに置いて彼女の方に押しやった銀行の封筒。ATMで引き出して来た二十万が入ってる。 「そんなの──」  涙を拭うこともせずに言い掛けた彼女を、掌を突き出して制した。 「でなきゃ俺、もうココといられない。つまらないかもしれないけど、俺にもがあるんだよ。金はなくても」  心葉には、それこそ理解できないことかもしれない。  だけど、これだけは譲れないんだ、俺も。
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