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「……一緒に、いてくれるの? 私、俊樹くんにひどいことした、のに?」
「まず、その『いてくれる』とか『もらう』ってのからやめよう。俺はココと対等の立場で付き合いたい。──逆に、それができないならダメなんだ」
「ごめん、なさい。私、本当に何もわかってなくて、できなくて、本当に」
謝って欲しいわけじゃない。
俺はホントに心葉と一緒にいたいと思ってる。
最初からそうだった。こんなバカげた計画に乗った時点で、俺にとってこの子はちょっと特別だったんだよな。
それでも単に「なんとなく感じのいい綺麗な子」程度だったのが、二人で過ごすうちにとても大切な存在になってた。
──好きなんだよ、君が。
きっと心葉は、今まで「自分には金しかない」って呪縛掛けられてたんだ。
だから俺にも「金の力」使わなきゃ振り向いてもらえないと思った?
あんな凝った計画立てて、従兄とはいえ他人巻き込んでまで俺を騙して。
そう。見合いだけじゃなくて、心葉の親は娘を道具に使うような人たちじゃないんだろ?
……全部、噓だった。
それってすごく哀しいよ、心葉。
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