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「それはちょっと──」
さすがに負担重すぎないか? と難色示す俺に、彼女があっさり告げて来る。
「アルバイトだからきちんとお給料は払うわ。だって今のお仕事そのまま続けられないでしょ?」
そのあたりは彼女も承知の上らしい。
俺のバイトは、特待で奨学金受けてるから学業に障りが出ないように平日はせいぜい数時間程度だった。そのかわりに休みなしで毎日、あと土日どっちかは大抵まる一日入るけど。
「基本的には、大学から私の家の最寄り駅まで一緒に帰ってもらえるだけでいいのよ。時々お食事に行くくらいかな。その時は少し時間長くなっちゃうけど。あとはお休みの日もできるだけ会ってもらえたら。もちろんお代金は全部私持ちで」
「うん、それなら………」
別に嫌なわけじゃないからな、全然!
受ける方向にぐっと傾いてた俺は、次の彼女の言葉で絶句してしまった。
「いちいち一回とか一日とか細かく決めなくてもいい? もしかしたら急に予定外で付き合ってもらうこともあるかもしれないから、そういうのも全部込みで二十万なら大丈夫?」
「に……!?」
おい待て! 二十、万? そんなまさか、聞き間違いか? だって俺が目一杯バイトしても月十万行かないぞ!?
まあ一応親の扶養だから、その範囲に収めないとって計算してるのはある。
いやでも……。
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