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「だから私は、私が死んだ日に楽しそうにここに来る人達が許せなかった...!」
「人のことを決めつけて、好き勝手都合のいいように言う人達が、許せなかった!」
丞は彼女から縛りを解き、そっと彼女を抱きしめた。
「...最初は、みんなのために役目を果たせるならそれで良かった。でも、いざ怖くなって辞めたいって言っても、誰も助けてくれなかった」
「人々の為に死んだのに、私は成仏することさえ許されなかった」
「ここで1人、ずっと考えたの。なんで神の気まぐれのせいで、私は犠牲にならなきゃいけなかったのかって。」
「気まぐれ?」
丞がそう聞くと、茉莉は丞を見上げながら下から睨んだ。
「だってそうでしょ?!晴れが続いたのも、私が生贄になってから雨が降ったのも、全部気まぐれなんでしょ?」
「それは違う」
「どうして?!」
「晴れが続いたのも、雨が降ったのも、神々は何もしてないんだ」
「そんなはずない!だって現に、私が生贄になってから雨が降ったじゃない!」
「それも、ただの偶然なんだよ。確かに神々にはそれぞれ役割がある。でも、気分でその力を使うことなんてないんだ」
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