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「ならば、つべこべ言わず速やかに任務に取り掛かるように。よいか、無事彼女をこちらに連れてくるのだぞ」
「承知致しました」
天に向かいお辞儀をする丞は、顔を上げると、鴉に向かって舌打ちをした。
「もういいから、お前も持ち場に戻れ」
丞がそう言うと、鴉は丞の頭を軽く突き、どこかへ飛んでいってしまった。
「...じゃ、僕もそろそろ向かうか」
丞が向かった先。
それは、嗣紀龍祭を主催している音明神宮(おんめいじんぐう)という神社だ。
何故なら、嗣紀龍祭にこの音明神宮付近での都市伝説が巷で語られるようになったからだ。
それは、「嗣紀龍祭に少女の幽霊が音明神宮付近に現れる」というものだ。
そして、その都市伝説が本当なのかと面白半分で近づいた人達が、その後何らかの理由で亡くなっているため、その都市伝説がどんどん拡がっていた。
そもそも何故そんな都市伝説が囁かれるようになったのか。
それは、この嗣紀龍祭が行われるようになった由来が関係している。
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