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「いただきまーす」
家族で食卓を囲んでいる。
「輝、学校復学出来て良かったな」
「ほんとだよー、それに私の彼氏にサバゲー連れてってもらってハマったんでしょ」
「サバゲー楽しかった、今までごめん」
「やっと反抗期が終わってくれてよかったわ」
「本物の俺になれた感じだ」
「なにそれ〜」
皆が笑う。違う、それは俺じゃない。その俺は俺じゃない。
「今まで迷惑かけた分学校とか頑張るから」
「うわすご、変わり方が本当に別人になったみたい」
本当に別人なんだ、気付いてくれよ。
「まぁ、病院にだけじゃなくて学校にも行ってくれるようになってくれて安心だわ。今度久しぶりに家族で旅行にでも行きたいわね」
母さん、そんなふうに思ってたのか?心配なんてしていたのか?なんだよ、今更。戻りてぇ、戻してくれ。
「彼氏もよかったって言ってたよ〜、またサバゲー行こうねってさ」
お姉ちゃん、リア充リア充って妬んでごめん。俺もサバゲーしてぇよ、そっちいきてぇよ。
「僕も把握しておけばよかったな、すまんな、輝」
親父、そんな風に謝らないでくれよ。無礼でデリカシーのない親父のままでいてくれよ。戻りてぇ、戻してくれ。
家族は楽しそうに次の旅行の計画を立てている。乗馬を習っていたからせっかくだから馬に乗りたいよねとか、海外行っちゃう?とか、談笑しながら計画を立てているのが本当に羨ましい。返してくれ、俺の家族を。
「あなたが手放したんですよ」
かえして、かえしてかえしてかえして。
かえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえしてかえして
「レンタル家族サービスご利用ありがとうございました」
嫌だ、戻して、金はいらねぇから。
「レンタル家族サービスご利用ありがとうございました」
家族を返してくれ、本物の家族を、返してくれ
「レンタル家族サービスご利用ありがとうございました」
それはおれじゃない
[完]
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