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「ああ…何にも妨げられずに夕月に触れられるように…剃りたても断面が痛いだろうから昨日夕月を送ったあとすぐに剃った」
ショッピングモールの駐車場に入る数台の車の列に並んで停止した時、湊さんは私の右手の甲を自分の顎に擦りつけた。
「今がベストだと思うけど…痛い?」
「…いいいいいえ…全くもって何ともないでっ…す」
「ははっ…じゃあ安心してもっと夕月の柔らかいところにも触れることにする…たくさん」
湊さんはその手の甲にチュッとキスしたあと、その手を彼の左足に乗せる。湊さんの太ももに触れる私の手のひらが火傷したようで、そこからじんじんと熱が身体中に回っていくのをぼーっとする頭で感じていた。
二人並んで簡単にどんぶりを食べてから買い物を始める。まず私はモール内のドラッグストアで化粧水などのトラベルセットを手にした。
「そんな小さいの、すぐ無くなるんじゃないのか?ちゃんとしたサイズの…夕月の使いたいものがここにない?」
「…あると思うけど…」
「うん?僕のところに夕月の物をちゃんと置くよ。どれ?シャンプーは?夕月の24時間を考えて、必要なもの全て揃える。快適な居心地のいい空間にしないとね」
朝起きたところから考えてと言われて、洗顔はもちろん、洗顔時に使うヘアバンドまで細かく揃える。
「ん、次、出勤とか出掛ける服と部屋着な」
「月曜日はこの服で出勤するよ」
「お泊まりはこの週末だけでないだろ?少しは僕のところに置いておかないと…それとも僕の部屋では何も身につけない?」
「なっ…」
「それも歓迎するけど?」
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