愛はコンビニで売って下さい

変わる者たち

仕事だけで終わる一日にホッとしながら部屋へ帰る。白菜と鶏ひき肉、たっぷりの刻み生姜を優しい甘味噌味のあんかけにしてカレー皿にご飯と共に乗せて食べる。平日はワンプレートに限るよね。

途中からスマホでネイルデザインを見ながらモグモグと口を動かして

「迷うなぁ…」

その多種多様さに画面を見るだけで満足してしまった。クリスマスも出勤だしパーティーだけを考えてもいけない。しかもクリスマスからお正月もそのまま楽しめるデザインがいいよね…と貧乏性を発動させて考える。結局、プロに‘新年も楽しめるデザイン’とオーダーすることにして、星本さん夫妻と玲子さんのプレゼントを持って行く準備をした。

「おはようございます。玲子さん、メリークリスマスです。いつもありがとうございます」
「ヤッホーメリークリスマスイブ、夕月。今年も一年ご活躍様…おっと…コスメですな…開けてもよろしくて？」

プレゼントを差し出しただけで、よくわからないテンションの玲子さんは私が返事をしなくても開けている。

「「おはよう」」
「おはようございます。今年もお世話になりました、星本さん、明子さん。メリークリスマスです」
「キャーーーーーかっわいっ…ギラギラ最高っ。ギッラギラ～～」

背後からの奇声に私は思わず首を竦めて耳を塞ぎ、星本さん夫妻は一歩後退りした。