変わる者たち

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「何人くらい?」 ツリーの前で写真を撮ってもらうことで人の目が気になったのか、やっと周りの人間が見えたようだ。 「200ほどだと思うけど、はっきりとはわからないな」 「皆さん華やかだね」 「クリスマスだからか?ブラックドレスも何だか派手に見える」 「レースだったりラメ使いがされているんだね…クリスマスらしく?」 「我ながらの自画自賛だがこのドレスが一番良くないか?」 「デザイナーデビューしちゃいます?湊ブランド立ち上げ?」 「専属モデル神戸夕月」 「無理です」 「じゃあブランド立ち上げも無理」 二人でゆっくりと会場を横切ってフードの前まで行くと、フィンガーフードの数々が並んでいる。 「両国のコラボってことですね…オイルサーディンのお寿司」 「食べて大将に報告だな」 結果、僕の感想も夕月の感想も‘普通’で報告するほどでもないと笑い合う。そして、ここのシャンパンが美味しいというのは二人の同意見だ。 「このホール以外に見られる場所ってあるんですか?」 「案内はなかったな。聞いてみようか」 聞いてみると、二ヶ所の手洗いまでに通る部屋は今日は解錠してあるが庭には出られないという。 「夜だから湊建築の外観が見られないのは残念」 「また昼間のパーティーがあるよ。多分チャリティーパーティーの案内も来てたから確認しておくな…2月の昼間だった気がする。部屋見に行くか?」 「はい、もちろん」 そう言った夕月が今夜初めて自然に僕の腕に手を掛けたようで、僕の気分が上がった。
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