変わる者たち

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「明子さん、郵便物あったらもらいます。私、自分の見積書と請求書をポスト投函に行くので」 「ありがとう。ゆづちゃん、これ…切手がまだなんだけど」 「はい、どちらも貼ってから投函して、そのまま1階の大掃除しますね」 「お願いね。私は2階の掃除を今日と明日でやるわね」 師走もクリスマスが終わると一気に忙しなさの種類を変えるようだ。忙しいのに大掃除しなきゃ…と思うのは何故だろう?お客様のお宅を見ていつも思うのは‘大掃除は年末より、花粉や黄砂の時期が終わってからがいい’ということだ。 ポストに郵便物を投函して1階を解錠していると 「あの…すみません…ゆうさんって…」 と聞こえる。ゆうさん?振り向いて声の主を見ると、私と変わらないであろう年頃のとても可愛い女性と目が合う。知らない人だけれど私に声を掛けてるよね?と思った時、ダダダダッと誰かが階段を下りてくる…誰かって今は星本さんがいないし玲子さんしかこんな音は立てない。ツナギに着替えた玲子さんが 「掃除のヘルプで棚を動かそうかと思って来たんだけど…夕月お友達?入ってもらえば?」 私にそう言い 「こんにちは~」 と見知らぬ女性に明るく挨拶をした。 「こんにちは…こちら玲ハウジングさんですよね?」 「はい。お友達でなかったなら失礼しました」 「いえ…こちらにゆうさんって方、おられませんか?」 「ゆう…夕月?恭平くんはゆうって呼ぶけど…もしかして渚チャンですか?」 「玲子さん、知っているの?」 「一昨日恭平くんと二人で飲んでるときに電話があった人」 「クリスマスイブの日?」 何がなんだかわからないけれど、私を訪ねて来たの? 「クリスマスイブに恭ちゃんと一緒だったのはゆうさんではない?」 「残念ですが、クリスマスイブに‘恭ちゃん’と一緒だったのは私、玲子ですねぇ」
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