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すぐに駅のホームまでたどり着いて‘これが帰り道…もう日常だよ…大丈夫’と心で唱える。ちょっとしたアクシデントだった…アクシデント…
‘人生にアクシデントは付き物だ。いつでも付き合うよ’
クリスマスのゴミアクシデントのあと、湊さんが言った言葉を思い出す。それから
恭平くんは部屋の模様替えを私がしたと彼女に話した?
報われない想いとかって、恭平くんが彼女に話した?
‘ゆう’と彼女に定着するほど何を話した?
クリスマスイブに部屋を訪ねて来た女性らしいけど誰?
まあ誰でもいいけど…彼女から離れてから次々と疑問が頭に浮かんだ。疲れたな…最寄り駅で自動的に電車を降りるが足取りは重い。はあ…料理する気は起こらない…でもお腹がへるのは目に見えている。コンビニでいいか…やっぱりコンビニは私の味方だ。コンビニの駐車場を横切りながら
‘人生にアクシデントは付き物だ。いつでも付き合うよ’
というバリトンを再び思い出し、思い切って電話を掛けた。
‘夕月’
「ふふっ…湊さんだ…」
‘うん?どうした?何かあったか?’
「ううん…湊さんお仕事は?」
‘今帰り道’
「運転中?」
‘そうだけどハンズフリー…一応止まる…ん、夕月’
「運転中ではない?」
‘コンビニの駐車場に入れた。夕月は外か?’
「うちの近くのコンビニです」
‘コンビニとコンビニで話してるんだな。何があった?’
「人生に付き物のアクシデントが再びありましたけど…なんかもう落ち着きました…湊さんの声…ヒーリング効果があるみたい…」
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