目撃者たち

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「湊さん、後でドレスショップを紹介するわ」 「ありがとう、玲子さん。助かります」 「クリスマスまで20日ほどだから早く行った方がいいと思うわよ?サイズ直しとかがあればギリギリの日程かもしれないから」 「繁忙期でしょうからね。明日、行きます。夕月の仕事が終わったら一緒に行こう」 建物見たさにパーティーに‘行きたい’と即答したが準備が大変かもしれない… 「夕月、断るのは無しよ。邪魔くさい、面倒くさいと思わずにエステにもネイルにも行く勢いで楽しみなさい」 「…今月めちゃくちゃ仕事あるんですけど…?」 「それくらい忙しくてちょうどいいのよ、今は」 玲子さんが大きな声で言い切ると 「夕月ちゃん、ドレスが間に合いそうになければ私が呉服屋さんを紹介するからね。すぐに連絡ちょうだい」 大将の隣から奥さんが言う。 「なるほど…」 玲子さんが行った方がいいのではないかと思うほど大きく頷く彼女を見て笑いが漏れる。 「今月はドレスがいいと思います。フォーマルなパーティーなので、national dressの着物ももちろんいいんだけど…何の暗黙のルールか、僕も定かではないけれど…着物の人は外交官とその奥さんくらいしかいないんだ。だから今月はドレスで、他にも招待されることがあるからその時は着物でもいいな」 「大使館パーティーってそんなにあるの?」 「ここ以外にも協力したところがあるから、3ヵ国から時々招待状は来る。珈琲豆の有名な国から‘珈琲とフードペアリングパーティー’の案内が来たり、ワインの産地が多くある国からは‘ワインパーティー’が来たり、それぞれ何周年とか、大使が交代する時には退任と就任のパーティーがあったりする。とりあえず、明日ドレスショップに行くのは決まり」 「ゆう、明後日の土曜は俺とデート」 「…?恭平くん?」
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