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「次、恭平くんどうぞー」
玲子さんが恭平くんを指名すると、いつもの作業着の中にネクタイをした恭平くんが‘はい’とグラスを置いた。今日ネクタイをしているのは三宅部長と恭平くんだけだ。
「現場は今まで通りですが、総務事務を学ぶ時間を作っていきます」
「おっ、いよいよ先を見たか?」
「いえ、そこまでには至りませんがバランス良い社員を目指すつもりです」
恭平くんが誰かに答えると、宮田さんが拍手しながら口を開いた。
「そこまで仕事が出来るようになったら、私生活ではモテてるようだし、最強の男だな、立花恭平」
「宮田さーん、ちょっと意味がわかるようでわかりませーん」
一番遠くから玲子さんが言うと
「正月に会ったんですよ、恭平に。その時両腕に女がぶら下がってんだか、おっぱい擦り付けてんだか、股を擦り付けてんだかわからなかったが…着てる物が店の女って感じじゃなかったから、あれ恭平の女だろ?」
宮田さんが恭平くんに聞いた。
「あっ…あれは高校の部活のOB会の飲みの後で…酔っぱらいが男も女も数人いましたね」
「恭平、2人とも持ち帰ったのか?」
こういう話に食いつく人は必ずいる。
「いえ」
「もっとか?」
「一人も持ち帰ってません」
「おおお、恭平くん、おっぱいも股も擦り付けられても耐えたの?私なら我慢できない、しなーい、持ち帰らなくてもその辺りで…あっ、恭平くんさ、持ち帰ったのではなくて持ち帰られたとか?」
玲子さんもノリノリだ。
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