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何度も角度を変えて重なる唇がそっと離れ
「夕月」
彼は薄暗いままの空間で私を見つめる。
「よく聞いて」
コクン…
「今日は送るから…今日は送って行く」
コクン…
「カフェバーの見学で1杯だけと言って来てくれた夕月を帰さないというのは、僕のやり方じゃないから送るよ…今日は」
コクン…
「ここ…事務所なんだけど…見る?それともこのままドキドキしたまま送ろうか…?僕もドキドキしてる」
湊さんはそう言うと私の頭を胸に引き寄せた。
「…うん…このまま帰る」
「それがいい」
「…昼間にマンション見たいし…事務所はメジャー持って見せて欲しい」
「いいよ。そのあと僕の部屋へおいで…外食ばかりでなくパスタくらい作るよ」
「…うん」
「で…泊まってくれる?」
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