進む者たち

17/19

8043人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ
何度も角度を変えて重なる唇がそっと離れ 「夕月」 彼は薄暗いままの空間で私を見つめる。 「よく聞いて」 コクン… 「今日は送るから…今日は送って行く」 コクン… 「カフェバーの見学で1杯だけと言って来てくれた夕月を帰さないというのは、僕のやり方じゃないから送るよ…今日は」 コクン… 「ここ…事務所なんだけど…見る?それともこのままドキドキしたまま送ろうか…?僕もドキドキしてる」 湊さんはそう言うと私の頭を胸に引き寄せた。 「…うん…このまま帰る」 「それがいい」 「…昼間にマンション見たいし…事務所はメジャー持って見せて欲しい」 「いいよ。そのあと僕の部屋へおいで…外食ばかりでなくパスタくらい作るよ」 「…うん」 「で…泊まってくれる?」
/435ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8043人が本棚に入れています
本棚に追加