8043人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ
私の髪を耳にかけた湊さんは
「朝まで僕と一緒にいて…夕月」
むき出しになった耳に唇を触れさせて囁く。直接脳に響くその声は中毒性があるのではないだろうか…
「…声…好き」
「そう?たくさん夕月の名前を呼ぶよ…夕月…朝までだよ?」
「…うん…」
痺れる脳の向きが変わったと思ったのは顎を掬い上げられたからだった。再び重なる唇はすぐに動き始める。
彼の唇が私の唇を優しく食み、舌が下唇をなぞる。その舌がゆっくりと下唇の内側を舐めるように伸ばされたと思うとぐっと腰を引き寄せられた。
すぐに絡んだ舌と舌はどちらもその温度を上げ、熱を発しているようだ。その熱で口内を火傷しそうで…口を開いて熱を逃がす…はずが、彼の舌がさらに奥へと進み上顎の奥の方をレロレロ…舐める…んっ…思わず漏れる音と同時に唾液が溢れる気がしたが…ジュルッ…彼が私の舌ごと吸い上げ舌を甘噛みする…ふぅん…ただ鼻で呼吸をするつもりが思いの外甘い音となり恥ずかしさで体が硬直した。
「夕月…」
柔らかく唇を食みながら
「続きは金曜の夜から…いつまでにしようか…月曜日の朝?」
湊さんは私の硬直をほぐすように背中を擦りながら言う。
「…ぁ…金曜って…明日…?」
「今年の仕事初めは木曜だったか…そうなるね、夕月…明日が楽しみだ…送るよ」
最初のコメントを投稿しよう!