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「ずっと?ずっとって?」
「ずっとはずぅーっとってこと」
私がそう当たり前のことを繰り返すと
「それは寂しくなるんじゃないか?」
珈琲を飲み終えた湊さんが、カップを置いた手で頬杖をついた。
「そうかもしれないけど…毎日必要なものでもないかな?」
「男がいなくても毎日充実していると?」
「言えるようになりたい」
「じゃあ、仮に夕月の言うように毎日ではないけど寂しくなった時にはどうする?」
「どうしましょう…」
「都合のいい相手とそれなりに付き合う?」
「…それってセフレってやつですか?」
「そうなるのか?」
「それも面倒ですよね…それなりでも付き合う相手なら相手の都合に合わさないといけないことがあるんでしょ?面倒だなぁ…真面目に付き合っていても相手の気持ちが分かっていなかったんですよ、私…そりゃあねぇ…うん…仕事をセーブすることなく出張にも行っていたし…それでも…」
何を言おうとした?終わったことを今ここで湊さんに言って何になるの?しっかりしなさい、夕月。
「湊さん」
「うん?」
「パーティーへは行くのでよろしくお願いします。明日も仕事だから帰ります。湊さんは?明日お仕事ですか?」
彼は個人で仕事をしているので休みは不定期だ。そう聞きながら椅子を下げると湊さんは
「中途半端」
私の嫌いな言葉を私に向けて放った。
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