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「夕月、見るのも触れるのも嫌だろうけど最後の決別と思ってとりあえず何か袋に詰めて」
‘はーい、ここに取りに来てって言うのも嫌だもんなぁ’
がさがさと音がするので
「今やってる?」
‘うん、いい?一人よりいいから…ちょっとだけ待って、湊さん’
「ゆっくりでいい、付き合うよ」
‘ゆっくりはやだよーさっさと目に触れないように封印封印…あっ…ぐしゃぐしゃ…いいか…えっと…これも封印…ムカつく…’
子どもだな…声が聞こえなくなったので声を掛ける。
「ゆづきぃ~」
‘…ぽいぽい中…はい’
「ははっ、いいよ…ぽいぽい続けて」
‘はいはい…あと2分…’
「タイマーいるか?」
‘いらない…体内時計で大丈夫’
しばらくすると夕月は独り言のあと、僕に言った。
‘この部屋…模様替えだね…ふぅ…完了しました、ぴったり2分です’
「ご苦労さん。それ玄関の土間に置いて」
‘…置いた’
「それで今夜は眠れる?明日の朝、車で迎えに行くからそれ持って事務所に行こう。林に取りに来させる」
‘湊さん、お仕事は?’
「玲ハウジングに持って行ってやるよ。夕方は夕月の仕事が終わり次第ドレスショップな。玲子さんから店、送られてきたから」
‘ありがとう、湊さん’
「じゃあ、10分後の電話待ってる」
‘もう寝てるかも…本当にありがとう。おやすみなさい’
「じゃあ、一旦おやすみ。電話嬉しかった、何時でも何回でもだぞ?」
‘はい…ありがとう’
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