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「そんな奴にここの敷居を跨がせるのか?」
「私が言いたいことあるんでね。自分のテリトリーがいいんです。星本さん、同じ空気を吸いたくなければカレンダー配布に出て下さい」
「それは出るが玲子さんの勇姿を見届けてからな」
「ひゃっほー星本さん、分かってますねー」
「ギャラリーが多い方が燃えるんだろ?」
「その通りです。で、みなさーん、恭平くんからビッグニュースです」
星本さんと話した玲子さんはすっと立ち上がると
「ゲス男の島行き辞令が今日10時に出ますっ」
「「はやっ」」
私と湊さんの声が揃って顔を見合わせた。
「恭平くんはやっぱり社長の息子なんだって、こういう時だけ思うよな」
「そうですね。普段は職人さんより現場で動いてるからわからない」
私たちが小声で話す間に
「玲ハウジングの増山です。ゲ…林さん、お願いいたします」
玲子さんは立花電工に電話して彼を事務所へ呼び出した。ちょうど9時…シミュレーション通り自分の仕事を始めようか。
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