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「送ったぞ」
「ありがとうございます。シャットダウンもしてください」
「確認は?」
「大丈夫です」
「ふーん。玲子さん、ご紹介のドレスショップに行って来ます」
「はいはーい、湊さんの名前を伝えてあるから」
「ありがとうございます」
湊さんが自分の資料をバッグに入れながら言うと
「ゆう」
恭平くんが私に手招きをする。
「うん?お疲れ様、恭平くん」
「ふっ、さっきも聞いた。ゆうもお疲れ…大丈夫か?」
「大丈夫」
「何が?」
「えっと…ちょっと意地悪だね…えーっと、あれもこれも大丈夫ってこと」
「よし、いつも通り仕事以外は適当なゆうの返事だ」
そう言ってくしゃっと笑った彼は
「昨日悪かったな。デートって…つもりではなかったのに言葉の選択を間違えたから違うニュアンスで伝わったと思う。ごめん」
と少し肩を上げると
「気分転換にぱーっと、バク買い、バク食い、絶叫、シャウト…何でも何処でも連れてってやるってこと。どれがいい?」
私に優しく微笑む。何だか彼の瞳に吸い込まれそうで
「恭平くん…恭平くんの目って私の目と形が似てるね」
慌てた私の口から出てきた言葉は嘘かホントかわからないようなものだった。
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