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「もう少しこちらへどうぞ」
夢唯さんに言われた場所へ立つと
「色味は異なりますが…こういった形で柔らかいレースが肌に掛かって…少し多めのギャザリングを入れるか、シンプルにストールのようにこんな感じ…イメージしていただけるかと」
パープルのレースをクリップでつけてくれた。
「ストールをお持ちいただいてもグローブはいらないんですけどイチイチずれ落ちることが気になると思うんですよね。ですから、ストールのようにつけてしまうということです」
「あと数センチ長く垂らしたらどうなりますか?」
「とてもエレガントになりますよ」
「今回つけてもらうと、このドレスの形には戻せない?」
「いえ。ご希望であればまたお取りすることが出来るような付け方にします」
「今からで間に合いますか?」
「はい、間に合わせます」
夢唯さんと湊さんがドレスとレースを散々確かめたあと
「夕月、どうしたい?」
「うん…これで湊さんとも合う?」
「合わせる。夕月の着たい物優先だ」
「やっぱりグローブはパスでいい?」
「いい。ストールかケープ風の直しかは?」
「…すみません…どっちがお安いですか?」
という私の質問に夢唯さんも湊さんも笑うことなく答えてくれる。
「お素材によりますのでどちらとも申し上げられないのですが…」
「夕月、それは気にせず二択だ」
「…お直しを湊さんのデザインでお願いします」
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