接近者たち②

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「…突然の告白はんたーい」 何とか出てきた言葉が‘告白’って…私、馬鹿なんじゃないの? 「告白はたいてい突然だと思うが?」 「ソウデスネ」 「ふっ…予告して告白するって人いるのか?」 「…予告じゃないけど…雰囲気を察するというか…」 「なるほど。夕月は今までそうして告白されてきたわけだ」 「…愉しそうですね」 「この瞬間にも癒されているからな」 「ペットを愛でる感覚の告白でしょうけど」 「鹿はペットに出来ない」 「鹿?…ああ…」 「小鹿ちゃん」 「…後ろ足で蹴ってやる」 「そういうプレイ?夕月が好きなら付き合うよ?」 「クラクラする…」 私が両手で顔を覆うと、湊さんの長い腕が伸びてきて私の頭をそっと撫でた。 「クラクラしないでドキドキしてくれたらいい…これからゆっくりと…今夜はまだ‘夕月が僕のヒーラー’と言っただけで愛を伝えたわけじゃないから告白でもなんでもない。大丈夫だ」
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