接近者たち③

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「ゆう、俺の腹がタイムリミット」 「ラジャです、恭平くん…」 自分でもテンションが上がっているのが分かる。スキップしそうな勢いを止めたのは自分の空腹感だった。 「あっ…私もお腹すいた…何時?」 「1時半」 「ごめんね、ずいぶん空腹と戦ってたんじゃない?」 「いや、目の前の不審者を見て込み上げる笑いと戦ってた」 「…その戦いに恭平くん負けてたよ」 「おう…続々と襲ってくるから強敵だった」 「まだまだだね」 「次の店では勝てるように頑張るわ」 北欧発インテリアホームセンターへ向かう途中で何でもいいから食べることにして、結局ファミレスに入った。何を食べるかよりも‘1250円’にどれだけ近いオーダーが出来るかと必死にメニューを見る私たちは周りからどういう風に見えるのだろう。 「1298円が一番近いか?」 「ほんとは、オーバーはダメって言うところだけどこの時間だから許しちゃう。私も1298円」 「よし、じゃあ俺が100円出す」 「ありがとうございまーす」 オーダーしてから、お寿司から外食続きだな…と思う。でも一人じゃ作ったり食べたりしなかったかもしれない…恭平くんが‘気分転換’と私に言ったのはこういうことだろう。 「恭平くん、誘ってくれてありがとう。ちゃんと食べられるっていいよね…いただきます」 「ゆうより俺が楽しいけどな。いただきます」
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