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「ゆう、俺の腹がタイムリミット」
「ラジャです、恭平くん…」
自分でもテンションが上がっているのが分かる。スキップしそうな勢いを止めたのは自分の空腹感だった。
「あっ…私もお腹すいた…何時?」
「1時半」
「ごめんね、ずいぶん空腹と戦ってたんじゃない?」
「いや、目の前の不審者を見て込み上げる笑いと戦ってた」
「…その戦いに恭平くん負けてたよ」
「おう…続々と襲ってくるから強敵だった」
「まだまだだね」
「次の店では勝てるように頑張るわ」
北欧発インテリアホームセンターへ向かう途中で何でもいいから食べることにして、結局ファミレスに入った。何を食べるかよりも‘1250円’にどれだけ近いオーダーが出来るかと必死にメニューを見る私たちは周りからどういう風に見えるのだろう。
「1298円が一番近いか?」
「ほんとは、オーバーはダメって言うところだけどこの時間だから許しちゃう。私も1298円」
「よし、じゃあ俺が100円出す」
「ありがとうございまーす」
オーダーしてから、お寿司から外食続きだな…と思う。でも一人じゃ作ったり食べたりしなかったかもしれない…恭平くんが‘気分転換’と私に言ったのはこういうことだろう。
「恭平くん、誘ってくれてありがとう。ちゃんと食べられるっていいよね…いただきます」
「ゆうより俺が楽しいけどな。いただきます」
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