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「すみません。店員さんではないです…ごめんなさい」
インテリアホームセンターで私が店員さんに間違われた二度目に恭平くんがお腹を抱えてひぃひぃと声を我慢して笑う。
「ゆう…くっ…絶対メジャーのせい…苦しい…」
「…もっと苦しくなるがいい」
目尻に涙まで溜めた恭平くんに言い残して他人のフリで離れる。
「ゆう」
そう呼ぶ声も笑いで震えてるってば…すぐに追い付いた恭平くんが私の頭をポンポンすると
「俺にもメジャー貸してくれよ?」
「やだ」
「いいだろ?」
「店員さんに借りて」
「やだ」
「…真似…やだ」
「俺、ゆうみたいに可愛く言えたか?」
今度は頭をぐしゃぐしゃにするので背伸びして恭平くんの頭もくしゃくしゃとしてやった…あっ…バカップルみたいだ…恥ずかしい…あちこちにある鏡にふと自分たちが映り恥ずかしくなって自分の髪を手ぐしで整えようとすると、恭平くんが長い指で私の髪をすく。
「ゆうの髪、好き…ん、綺麗になった」
「ぁぁぁ…ぁりがと…」
ひぃひぃ笑いから急にドキッとさせないで欲しい。
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