揺れる者たち

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‘お疲れ、夕月。日曜日に仕事したならしっかり休日手当てもらえよ’ 「ほんと…ふふっ…でも恭平くんに悪いことしちゃって…冗談でもそんなの言えない」 ‘夕月が何をしても恭平くんは怒りもしないだろうけど?’ 「そうですね…私が勝手に…お子さま…」 ‘ふっ…それも含めて夕月だからな’ 「玲子さんにもそういう感じで言われたので、玲子さん大好き宣言しておきました…ふふっ」 ‘いいね。二人は誰から見ても羨ましい関係だ’ 湊さんは私が恭平くんに何をしたのかとは聞かず‘それも含めて夕月’と言うだけで違う話が続いた。 ‘今週、定時に上がれる日はありそうか?’ 「水、木どちらかはそうするつもりですけど…何かありました?」 ‘水、木、夕月は何かあったのか?’ 「百貨店に行きたくて…玲子さんたちに恒例のプレゼントを選びたいから」 ‘ちょうどいい。僕も夕月のドレスに合ったタイとチーフを買いたいんだけど、色の覚えが絶対に夕月の方がいいから付き合ってもらおうと思って電話したんだ’ 「当日にしか決められないけどいい?」 ‘いい。百貨店なら現地集合でいいだろ?’ 「うん」 ‘良かった。よろしく、夕月’ こうして木曜日の仕事が終わってから、私と湊さんは百貨店で待ち合わせた。
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