揺れる者たち

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「玲子さんはクリスマス感を求めています」 「なるほどな。去年は何をプレゼントした?」 「スノードームとスノードームキャンディー」 「ああ…夕月の気持ちがわかる気がする」 「答え合わせ、してみます?」 私がそう言って湊さんを見上げると、通行の邪魔にならないように彼の手が私の背中に添えられ、二人でそっと通路の左へ寄る。 「採点してくれるのか?」 「お望みならば」 「ふっ、回答を提出する」 「どうぞ」 「玲子さんは使う使わないは関係なくクリスマス感のあるものを喜び、夕月は玲子さんを喜ばせながらも‘私ならいらない’‘今だけってもったいない’と思っている。でも喜んでくれるのが第一だから、玲子さんを喜ばせるものを今年も選ぶ…どう?」 「ファイナルアンサー?」 「ははっ、ファイナルアンサー」 「…正解です。とても正確に答えられましたね、湊くん」 「ありがとうございます…くっくっ」 「そうなの…スノードームキャンディーなんて、私は口に入れたくないビジュアルだけど玲子さんのテンションは爆発してた」 「ちなみに、その前は?」 「長Tのパジャマで胸に‘Merry Christmas!!’って書いてあるやつ」 「インパクトすごいな…っていうか…毎日いろいろコーディネートしている夕月がそのパジャマを選んで買っているところを想像するだけで‘特別なイベント’に違いないな」 「でしょ?似合う、似合わないはこの際問題ではないの。玲子さんのテンションがどれだけ上がるか勝負なの。でもパジャマは去年も今年もきっちり12月になれば着てるのよ、玲子さん」 「どうして知ってる?」 「‘今年も出したよ~’って自撮り写真が送られてきた…見る?」 「遠慮する」
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