揺れる者たち

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「彼女、同業者?」 湊さんの前にビールを置きながら久世さんが聞いている。いや、違いますけど…何でそう思ったのかな? 「夕月が不思議そうなところが僕は不思議」 「…なぞなぞ言葉みたいでわからない…」 「あははっ…夕月ちゃん、面白いね。湊、スパークリングはボトルでいいのか?」 「うん、僕も飲むからボトルで」 ますますわからない… 「面白いって、あまり言われませんけど…」 「夕月の魅力だから‘魅力的’と皆が言うんだろ。彼女はインテリアコーディネーターだ」 「ああ…それで見てたのか、納得」 驚いて、パッと隣の湊さんを見ると 「夕月の感想は?」 観察したことがバレていたようだ。 「すみません…癖で…特にひとつ一つをどうこう思ってイチイチ見ていませんから感想は特にありません」 小さくなる私の前にグラスが置かれると、湊さんが久世さんからボトルを受け取り、泡の綺麗な液体を注いでくれた。
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