揺れる者たち

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12時半になってやっと2階へ上がってきた玲子さんは、ベーコンエピに豪快にかじりつきながら 「夕月って、結局あれ以来、恭平くんと会ってなかったの?今日が初めて?」 と聞いてくる。 「はい、部屋が快適になって昨日初めて人を招いたらしいです。玲子さんと私にも部屋で忘年会しようってお誘いがありました」 「行く行く」 「恭平くん、3回忘年会があるらしいから一番忙しいと思うんですよね。候補日を送るって言ってました。玲子さんも業者さんの忘年会ありますよね?」 「あるね。夕月のパーティーとは違う夜の連続よ。厳つい職人と呑んだくれる夜」 「玲子さんの大好物」 「そ」 時間を見て、今はそれだけ食べることにした玲子さんは 「連続でも何でも青いの応援には行くけどね」 と言って立ち上がる。 「青いの応援…?何?玲子さん、サッカーにでも行くの?」 「行かない、行かない、こっちの話。夕月、どれ食べてもいいけどチーズカレーロールは残しておいて」 「うん、そのつもり。玲子さん用に買って来たから。安心していってらっしゃーい。次は紅茶持って行きますね」
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