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 翌日は土曜日だったが、珍しくバイトも無く特に予定も無かった。  何処かに出かける気にもならなかったので、久しぶりに自宅でのんびり過ごしてみる。ギターを弾いて好きなバンドの動画を見てマンガを読んで…、それにも飽きて2階にある自分の部屋を出て1階に降りる。  リビングのドアを開けると、もうそろそろ陽が沈みかけているというのに灯りも付いていなくて人の気配もない。  そういえば今日は両親揃って出かけるとかで夜遅くなるから家に居るなら夕飯は適当に食べろと朝方帰宅した時に言われていたのを今思い出した。昼飯もろくに食べていないのでさすがに腹が減った。冷蔵庫を開けてみるもすぐに食べられそうなものは何も無い。  面倒だがコンビニに行くしかないか。  オレが就職活動もしないでバンドとバイトに心血を注いでいるのを当然家族はよく思ってはいない。家族、というか主に母親だ。  大学に入学してから割とすぐ家にはほとんど帰らなくなり、夜中や朝型に帰っても部屋で寝るだけで起きたらまたフラッと出て行く。もちろん家族と会話する機会なんてほとんど無かった。とはいえ元から母親と不仲だったわけではなく、帰って来ないオレの分も毎日のように夕飯は用意されていたので、翌日にそれを食べてまた出かけて行くことが多かったが、最近はそれも無い。  きっかけは半年程前、オレの生活態度にいよいよ限界だった母親がたまたま荷物を取りに帰っていたオレをとっ捕まえて就職はどうするの?と詰め寄った時だった。
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