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 そして当日、今日会うことをメンバーの一人についうっかり喋ったらいつの間にか全員に知られていて朝から鬱陶しいくらいみんなからメールがくる。あまりにもしつこいので英理奈さんと合流するとスマホの電源をオフにした。  二週間ぶりに会う英理奈さんはやっぱりキレイで、つまりは、どうにもオレの好みだった。  英理奈さんのおすすめだと言うこの前とは違う居酒屋に行き、まずはビールで乾杯をする。オレと英理奈さんの間で一番話が盛り上がるのは間違いなくお互いの好きな音楽の話だ。 「英理奈さん、何がきっかけでそんなに音楽好きになったの?」  オレの話は前回散々したので今日は彼女の話を聞きたい。  「そうだね、いろいろ聴くようになったのはやっぱり大学でサークル入ってからかな。サークルの人達がみんな本当に詳しくてね、邦楽も洋楽もそれまで全然知らなかった音楽を一度に知れて、夢中になったな。でも、改めて考えると、その前に父親の影響、もあるかな」 「へぇ、お父さんも音楽好きなんだ」 「うん、レコードたくさん持ってた。ビートルズを始め、洋楽はお父さんの影響が大きいかな。よくかけてたし、だから曲も勝手に覚えてた。でも無理に聴かせようとかはしなくて、まだ小さかったから正直よくわかってなかったけど、私が一緒に聴いたり、質問したりするとお父さん嬉しそうだったから、私も嬉しくて、特にビートルズは無駄に詳しくなった」 「……ねぇ、お父さんて、今」 「あぁ、うん、私が12歳の時事故で亡くなったの」
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