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「英理奈さん?あれ、違った?」
「あ、ううん、そう。……よくわかったね」
「まぁリボルバーのヒントまで貰ったらこれくらいビートルズ好きならわかるでしょ」
「そうかな……」
そう言って笑った顔はとてもキレイだったけど何故か少しだけ複雑そうに見えた。あまり触れてほしく無かったのかなと思い話題を変える。
「サークルでは何の楽器やってたの?」
「あー、子供の頃ピアノ習ってたからそのままキーボードやってたけど、ほんとたいしたことしてないからその辺あんまり突っ込まないで」
恥ずかしそうに言う英理奈さんが可愛くてもっと突っ込んで聞いてみたかったけど機嫌を損ねたくは無いのでやめておこう。
自分のバンド遍歴は教えてくれなかったけど、大学生の頃の話はたくさんしてくれた。本当はサークルに入るつもりは無かったが仲の良い友達になかば無理矢理誘われ一緒に入部する羽目になった。けど入ってみたら良い人ばっかりで、性格も音楽性もいろんなタイプの人が居て一気に世界が広がった。大人数でやってたQueenのコピーバンドが楽しそうで参加出来なくて悔しかった。ビートルズ好きが多く人気の曲はいつも取り合いだった。この前は聞けなかった話がたくさん聞けた。
昔話をする英理奈さんは楽しそうだったけど、時折切なげな表情を浮かべていたのが少しだけ気になった……。
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