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 ライブが終わり、バンドのメンバーがハケるとステージ上の照明が落ち、かわりにフロアの照明が明るくなって改めて彼女と向き合う。  ライブ後の興奮と、もう会えないだろうと思っていた女性が目の前にいる事がまるで夢の中にいる様で落ち着かない。 「お疲れさま。……ここにいていいの?」 「あぁ、大丈夫です」 「じゃあ一杯奢る。何がいい?」 「え、いや、そんなつもりで声かけたんじゃないから…」  嬉しい申し出だが申し訳なさが勝った。 「私が飲みたいの、付き合って。ビールでいい?」  すぐ横のドリンクカウンターでビールを2杯注文し、1つをオレに渡してくれる。 「ありがとうございます」  そういえば自分の出番が終わってから何も飲んでいない。最後思いっきりシャウトして終わったから喉がカラカラだったのを今思い出した。  ビールを半分以上一気に流し込む。 「今日、どうして?お目当てのバンドでもいたんですか?」  オレの問いかけに目を丸くする。彼女もビールをすでに半分以上飲んでいた。 「お目当てか、いちおう、キミのバンドを見にきたんだけど…」  マジか…、驚いてむせそうになる。 「え、何で、もしかしてわざわざ調べてくれたんですか? 今日出る事…」  ライブハウスのHPのスケジュールや、うちのバンドのSNSなどにライブの予定は掲載されているので検索をすれば情報を仕入れるのは難しい事ではないが、わざわざそれをして、次のライブにまで来てくれるという行為ははっきり言ってオレらのようなマイナーなバンドにとってはとてつもなく有り難く、もう神のような存在だ。 「まぁこの前は頭から見れなかったし、CDも聴いたけど、良かったし…」と、少し照れくさそうに彼女は言う。その照れた顔が可愛すぎて、もしまた会えたなら聞いてみたいと思っていた事が山程あったはずのに、うまく言葉が出てこない…。 「あの……」考えがまとまらないままそれでも何とか会話を続けようとすると、 「何やってんの〜」
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