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朝になり早瀬君が迎えに来た。
「雨、凄い!何かある時はいつも雨」
私は恨めしそうに外を見た。
見た事もない高級車の助手席に乗り、早瀬君の話しを聞いていた。
「綾、ふたつ目のお願い。おととい私にしか出来ない事で幸せになるって言ってたよね?綾にしか出来ない事なんだ」
「言ってたけど……何で私しか?」
「行けばわかる。ただ、誤解しないで欲しい。俺は本当に綾の事を愛している。全てをなくしても綾だけは失いたくない。これだけは信じてくれ」
「何大げさに」
「誤解されたくないんだ、これからの事が理由で自分に近づいたんじゃないかって」
「えっ?早瀬君て私にわざと近づいたの?だから始めはって言ってたの?」
「そう、ごめん……」
「えっ!何で?サプライズって何処に行くの?」
「会って欲しい人がいる。その理由も会えばわかる」
それから無言の時が流れた。ワイパーの音だけが聞こえる。
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