雨あがる

14/15
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
朝になり早瀬君が迎えに来た。 「雨、凄い!何かある時はいつも雨」 私は恨めしそうに外を見た。 見た事もない高級車の助手席に乗り、早瀬君の話しを聞いていた。 「綾、ふたつ目のお願い。おととい私にしか出来ない事で幸せになるって言ってたよね?綾にしか出来ない事なんだ」 「言ってたけど……何で私しか?」 「行けばわかる。ただ、誤解しないで欲しい。俺は本当に綾の事を愛している。全てをなくしても綾だけは失いたくない。これだけは信じてくれ」 「何大げさに」 「誤解されたくないんだ、これからの事が理由で自分に近づいたんじゃないかって」 「えっ?早瀬君て私にわざと近づいたの?だから始めはって言ってたの?」 「そう、ごめん……」 「えっ!何で?サプライズって何処に行くの?」 「会って欲しい人がいる。その理由も会えばわかる」 それから無言の時が流れた。ワイパーの音だけが聞こえる。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!