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早瀬さんが入って数ヶ月が過ぎた時、お客様の途切れた時間などは話しをしたりする事が増えていた。
百合さんの公休日にリオさんが話しかけて来た。
「ねぇ、ホテルにいるといろんなお金持ちが来るでしょ?見分け方百合に教えてあげてよ、又不発だぁって……その度に当たられちゃこっちが参っちゃう」
「そうなんですか……。この前、百合さんが『休みでパソコンをしてる人はエリートだから』と狙を定めてましたけど……」
『けど?』
「本当のエリートは休みの日に仕事なんてしません。勤務時間内に仕事は終わらせて、プライベートときっちり分けてます」
「えっ?じゃあ百合の見方は間違ってるの?」
「エグゼクティブクラスにいらっしゃる方は本当に寛ぐだけ、専用ラウンジで本を読むとか、ご家族と団らんするとか」
「確かに!」
振り向くと早瀬君がいた。
「聞いてたの?」リオさんが呆れてる。
「へへ、すんません。俺も言わしてもらうと、本当の金持ちはカフェに来ません」
「私もそう思います」と言いながら、入って来たお客様の案内に向かった。
注文を聞き終えた私にリオさんが話しの続きをしに来た。
「さっきの話し、衝撃なんだけど……百合はパーキングに入って来る車種みたり、テラスに来るお客様の連れている犬を見たり、身につけているもの値踏みしたり。それって無駄な事?」
「さぁ、私にはわかりませんけど持ち物とかではわからないんじゃないかと……。でも早瀬君が言った事はわかります。他人と同じ場所でコーヒー飲む為に時間はつかわないかな?」
「そっかぁ」
リオさんは納得したのか腕組みをして頷いていた。
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