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突然のお別れ
「ごめん、やっぱり元カノのことが、かわいそうで…。ミアとはもう続けられない。別れよう。」
「…うん!」
ミアはどうにか作った笑顔でそう答えた。
人はひどく驚くと何も言えなくなる。ミアは取り乱すのが人一倍嫌いだ。
だって頭悪そうだから。「なんで?」なんて野暮なことは聞かない。
ショックで震える身体を気づかれないように手で押さえた。
そして奮い起こすように立ち上がった。
頭はパニックでガンガン音が鳴り出し、目がグルグルと回って軽く目眩を起こしている。
もう少しで目から涙が溢れる。このままだと、顔がゴミみたいにグチャグチャになって泣く。
ー泣くな。こんな時は、セルフコントロールだ。
脳という指令官が緊急事態宣言を下したようだ。
冷静な行動を取らせようと必死に仕事をしているのがわかる。
深呼吸 しろ。フゥゥゥぅぅーーー 深く息を吸って吐いた。
少しばかり気持ちが軽くなったような錯覚に陥る。
ま、別に別れるだけじゃん。死ぬわけじゃなし。
自分に言い聞かせてみた。なかなか効くみたい。
涙のナイアガラはとりあえず免れた。
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