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第3話 あと1日
「ねえ、今日どこ行こうか?」
「映画に行こうよ」
それから僕と麗ちゃんは色んなところに行った。
映画、ショッピング、遊園地...学生時代に得られなかった幸せを一度に手に入れた気分だった。
そして、残りあと1日となった時。
性格のレンタル期限はあと1日。ダメだ。これ以上、嘘をついて麗ちゃんと付き合うわけにはいかない!
その日のデートの終わり
「あのっ!」
僕と麗ちゃんの声が重なった。
「お先にどうぞ。公平くん」
「実は僕、性格レンタルしてたんだ。同窓会のために、がらにもないことしちゃって。本当は僕、こんなに積極的じゃなくて」
「やっぱりね。公平くん、学生時代と性格が全然違うもん」
麗ちゃんは晴れ晴れとした様子だ。
「騙してたみたいになっちゃってごめん」
「私もね、性格レンタルしてたんだ。『優しい』 7泊8日」
「えっ!?」
「私ね、成長するにしたがって自分でもわかるほど性格が悪くなって。それじゃあ人が寄って来ないでしょ。だから公平くんと同じように同窓会に向けてレンタルしてたの。私も期限まであと1日」
つづく
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