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3「吐き気!」
正幸が働いているコンビニは駅からちょっと離れている小さなお店で目立たないせいか日常的にあまりお客の出入りはすごく少ない。つまりバタバタする様子はほとんどなく、暇なときは眼鏡のおおらかな4,50代後半くらいの男の店長から、座って雑誌でも読んでて良いよと言われるくらい楽なのだ。バイト時間が9時から夕方6時、コンビニと言われているけど閉店もあって普通のスーパーの感じだ。夜は流石に人がほとんど来ないかららしい。
でも、今日は久しぶりに商品の入れ替えが多くて、店長の川田さんとふたり賞味期限近い、食品なんかを夢中でチェックしてたせいか、閉店時間が30分くらい遅くなってしまった。初めてまともに仕事をしたような感じだ。詳しいことは後で話すけど、だから今日は特に疲れていて、帰ったらゆっくりしたかったのにわけのわからない現象のせいでちっともやすまらない!
相変わらず嫌なにおいがしつこく充満してるけど、何とか部屋に上がり夕飯を食べようと奥の台所の土間にあるガスコンロでやかんに火をつけ小窓を開けて、カップ麺にお湯をそそいだ。薄暗くてついでに部屋のあかりのスイッチを押すが入らなかった。
これも変な怪奇現象かと思ったがたぶん7月に入ってから電気代を払ってなかったのが原因だとわかった。ここに引っ越してきてからもう1ヶ月半ちょっと!両親から家賃以外は極力自分で払うように努力しろと言われていたのだ。
正幸「お金はともかく、実家に電話したら扇風機くらい送ってくれねえかな!(ノД`)あちい~!」
汗だくのシャツを替えて、むなしく暗がりの中に座り、カップ麺の香りと混ざった部屋の香りに吐きけを覚えながら正幸は、眉間にしわを寄せて減っていってしまう、貯金の残りを頭に浮かべてため息をもらした。
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